尊厳死宣言公正証書とは
「尊厳死」とは、回復の見込みのない末期状態の患者に対し、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいいます。
また、「尊厳死宣言公正証書」とは、依頼者が自らの考えで尊厳死を望む、すなわち、苦痛緩和措置を最優先に実施するなど、人間としての自然なかたちで尊厳を保って安らかに死を迎えることができるよう、延命措置を差し控え、中止する等の宣言をし、公証人がこれを聴取してその結果を公正証書にするものです。
近年、人間としての尊厳を保ちつつ天寿を全うしたいと考える人が増加してきています。
人生100年時代が到来し、健康な状態で歳を取ることができれば幸せですが、そうではない場合も多々あります。そうした場合に、予め自らの意向を明らかにしておくことは、残された家族にとっても有意義なことではないでしょうか。
ただし、尊厳死宣言公正証書を作成したからといって、必ずしも治療にあたる医師によっては、尊厳死が実現できるとは限りません。とはいっても、近年の医療現場では、大勢として尊厳死を容認しているようです。
尊厳死宣言公正証書は、遺言書や任意後見契約などと同時に作成することが多いですね。
今日はここまで。